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■NEWS 一般病床200床以上の地域医療支援病院、定額負担の義務化対象に

No.4991 (2019年12月21日発行) P.68

登録日: 2019-12-13

最終更新日: 2019-12-13

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中央社会保険医療協議会・総会は1211日、紹介状なしでの大病院受診時定額負担について、義務化対象病院を一般病床200床未満の場合を除く、地域医療支援病院全般に拡大することを了承した。外来の機能分化への対応として一体的に議論してきた「機能強化加算」については、文書による事前説明の要件化を巡り、支払側と診療側の意見が激しく対立。議論は平行線を辿った。

大病院受診時定額負担の義務化対象は現在、特定機能病院と許可病床400床以上の地域医療支援病院となっている。厚生労働省はこれを、一般病床200床未満を除く地域医療支援病院全般に拡大することを提案し、了承された。同省によると、一般病床が200床未満の地域医療支援病院はごくわずかであるため、見直し後はほぼ全ての地域医療支援病院が義務化対象になるという。紹介率・逆紹介率が低い場合の「初診料」と「外来診療料」の減算措置の対象も同じ基準に見直す。

■「機能強化加算」は文書による事前説明の要件化で意見が対立

「機能強化加算」では厚労省が、診療前に患者に文書を渡した上で、かかりつけ医機能や患者にとってのメリットを説明する案を提示した。これに診療側は、▶説明に時間を取られて診療に支障を来す恐れがある、▶数ある体制加算のうち、「機能強化加算」だけを取り上げて個別説明を求めることは承服できない─などと反発。院内掲示と明細書の発行で、患者への説明責任は果たせているとし、かかりつけ医機能の普及・啓発は医療に関わる全ステークホルダーが取り組むべき課題であり、医療機関だけに責任を押しつけるべきではないと憤りを示した。

一方の支払側は、▶保険者や行政による説明よりも、医療機関が説明したほうが患者の納得・理解を得られやすい、▶説明者は必ずしも医師である必要はなく、待ち時間を上手く活用すれば診療への影響はない、▶患者が内容を理解しないまま算定されている現在の仕組みは、凍結中の「妊婦加算」と何ら変わりなく、問題が多い─などと、文書による事前説明の必要性を繰り返し強調。議論は紛糾した。

■「地域包括診療加算」などの24時間対応要件見直しも検討課題に

かかりつけ医機能の評価では、「地域包括診療加算」と「地域包括診療料」の在宅医療や時間外対応に関する要件の見直しも論点に位置付けられた。これを受けて診療側の松本吉郎委員(日本医師会常任理事)は、実際には24時間対応をしていても算定要件を満たせないために、届出を見送っている施設があるとし、現場の実態に沿った方向での見直しを要請したが、支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会)は見直しに反対姿勢を表明。見直す場合は、これら報酬の届出を算定要件化している「機能強化加算」も含めた点数設定を見直す必要があるとの認識を示した。

「オンライン診療料」についても議論し、関係学会の指針でオンラインによる診療が標準的な治療法として位置付けられている「慢性頭痛」の対象疾患への追加が提案されたが、診療側は重篤な疾患の予兆である頭痛を見分けることは難しいと危惧。「慎重の上にも慎重を期すべきだ」と異議を唱えた。

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