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医学・医療界のパラダイムシフト(グローバル化) [プラタナス]

No.4700 (2014年05月24日発行) P.1

福沢嘉孝 (愛知医科大学大学院医学研究科(医学・医療教育学分野)教授・医学教育センター長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-04-03

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  • 現在、日本の医学・医療界は新医師臨床研修制度(含、マッチングシステム)以来の2つの大きなパラダイムシフトを迎えている。すなわち、(1)医学教育のグローバル化に伴う国際認証、(2)専門医制度改革である。

    (1)の背景には、①医療者・患者の国際間移動が増加する中で、医学教育制度は国によって様々であり、医師のレベル格差が生じており、患者ニーズを十分に満足させる保証が担保できない可能性があること、②日本ではそれほどの影響はないが、医師が多く流出・流入する国では、既に教育機関の国際的認知が検討されていること、③日本の分野別教育質保証制度は未確立であり、国際的認知の必要性が喫緊の課題となっていることなどがある。

    その背景を踏まえて、2003年に世界医学教育連盟(WFME)がグローバルスタンダードを公開した。2010年、Educational Commission for Foreign Medical Graduates(ECFMG)は、2023年以降、グローバルスタンダードによる国際認証を受けた医科大学の卒業生以外は米国での研修を受け入れないことを通告した(いわゆる2023年問題)。一方、日本では、2012年に東京女子医科大学が初めて外部評価を受審した状況である。今後、この潮流は全国の各医学部・医科大学に急速に波及していくものと推測される。

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