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AEDがもたらした救命のパラダイムシフト [プラタナス]

No.4724 (2014年11月08日発行) P.1

三田村秀雄 (国家公務員共済組合連合会立川病院院長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-03-27

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  • 我々医師は果たして突然死を救えるのか。

    突然死を起こしうる遺伝子の解析が進み、ハイリスク例が選別され、選ばれた症例の体内に小型除細動器を植え込む。目を見張るような先進医療が行われている一方で、突然死に陥る大多数の例はその恩恵を受ける間もなく、まさに突然に命を失っている。そのほとんどは街中や公園、自宅で発生し、そこに医師はいない。医師が外来で患者が来るのをじっと待っているだけでは、突然死は救えない。

    突然死の多くは心室細動によって起こり、患者を救うには数分以内の除細動が欠かせない。しかし、救命のプロたる救急救命士を乗せた救急車が現場に到着するのは、通報してから平均8.3分後と、遅すぎる。そこで、もっと早く除細動を、との期待を担って登場したのが自動体外式除細動器(AED)である。今や、目撃された心原性心停止に直ちに現場のAEDを使えば、4割以上の人が助かる時代である。しかし、そのようなケースに実際にAEDが利用されたのは4%にも満たないという。なぜなのか。そばにAEDがなかったからだ。

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