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【私の一冊】『外科の夜明け/近代医学のあけぼの』

No.4698 (2014年05月10日発行) P.76

白石吉彦 (隠岐広域連合立隠岐島前病院院長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-04-05

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  • 両著とも、1956年に出版された Jürgen Thorwald著『Das Jahr­hun­dert der Chirurgen』の邦訳本。1994年に小学館からも大野和基訳『外科の夜明け』(地球人ライブラリー)が刊行されている。
    塩月正雄 訳(東京メディカル・センター出版部1966年刊、講談社文庫1971年刊)/小川道雄 訳(へるす出版2007年刊)
    〔写真は筆者提供〕

    近代医学を飛躍的に進化させた外科医たちの苦闘

    縁あって赴任した島の診療所には60がらみの診療所長がいた。問わず語りに聞くと、その昔は、学園紛争で戦ったらしい。その矜恃を持ったまま、大学には戻らず地域医療に従事し、地域での小病院長、保健所長などを歴任。その後、当診療所長として勤務していた。3年間、医局で机を並べて指導を受けた。臨床や病院運営のことだけではなく、離島生活の魅力、楽しみ方、苦労などを教わった。

    ある時、心に残る一冊は、という話題になり、『外科の夜明け』を教えられた。ところが絶版となっており、インターネットで探して数カ月後に手に入れることができた。これは、2007年に新たに『近代医学のあけぼの』として出版されている。

    残り404文字あります

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