財務省は9月30日、2021年度予算の各省庁からの概算要求を締め切った。厚生労働省は2020年度の当初予算額(32兆9861億円)とほぼ同額の32兆9895億円を要求額として計上。その上で、「新型コロナウイルス感染症への対応など緊要な経費」を金額を明示しない「事項要求」として別途要望した。
厚労省は、高齢化等に伴う社会保障関係費(年金・医療等に係る経費)の自然増についても「足下の医療費がコロナの影響で落ち込んでおり、算出困難」(会計課)とし、新型コロナ対応の緊要な経費と合わせて年末の予算編成過程で検討するとしている。
新型コロナ対応の緊要な経費のうち医療・介護の重点要求事項は、①感染防止に配慮した医療・福祉サービス提供体制の確保、②PCR検査・抗原検査等の戦略的・計画的な体制構築、③ワクチン・治療薬の開発・確保、ワクチン接種体制の構築─など。
厚労省が想定する事項要求の予算規模について田村憲久厚労相は「今ここで申し上げるわけにはいかない」(9月25日の閣議後会見)と明言を避けているが、同省会計課は「10兆円を超えることはない。数兆円というレベル」としている。