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ひとり小旅行[なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(331)]

No.5041 (2020年12月05日発行) P.65

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2020-12-02

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高知市内の高等学校へ講義にお呼びいただいた。週末だったので、室戸岬まで足を延ばすことに。80km強、2時間ほどのドライブだ。いちばんの目当ては空海が悟りを開き、その法名を得たという御厨人窟。

だが、行ってびっくり、がっくり。危険なので入洞禁止とのこと。しかし、こんな無粋な柵までせんでええのとちゃうの(写真)。せめて近くまで行かせてほしかったわ。

気をとりなおして、近くのホテルで1泊。夜明け前から海岸をぶらぶらさまよう。と書くと怪しげに聞こえるが、日の出目当ての観光客がたくさん。ちょっと雲が出てたけれど、きれいな朝日を拝めました。

朝ご飯を食べて室戸スカイラインを走り、第二十四番札所の最御崎寺へお参り。それから「室戸世界ジオパークセンター」で室戸岬がどのようにできたかをしっかり頭にいれて、「むろと廃校水族館」へ。

2006年に廃校になり、朽ちかけていた小学校をリノベーションして水族館にしてある。なんだかショボそうな気がしていたのだが、これが意外におもろかった。25mプールにサメや網にかかったウミガメを泳がすなどというのはかなり卓抜なアイデアだ。

たいした魚が展示してあるわけではないが、元小学校というのがなんともそそられる。一昨年にできたのだが、なんでも去年のGWは、高知城についで県内2位の人気だったらしい。あなどれません。

道の駅が好きで、よく立ち寄る。キラメッセ室戸でも、ついお買い物。大きなカマスの干物が1匹100円とか安くてびっくり。ここには鯨資料館があって、江戸時代に室戸のみが許されていた四国の捕鯨は網を使った追い込み漁やったんや、とかお勉強。

次は「モネの庭」へ。その名のとおり、モネが睡蓮を描きまくった庭をモデルに作られた庭、いわばパチモンだ。これも期待せずに行ったのだが、睡蓮が咲き終わっていたにもかかわらずたいそう素晴らしかった。

最後の目的地は、吉井勇記念館。「いのち短し、戀せよ、少女…」の「ゴンドラの唄」で知られる歌人、吉井勇がかつて身をよせていた地にある。相当な田舎なのだが、ファンとしては行かねばならんかったのである。

日本三大鍾乳洞のひとつ龍河洞とアンパンマンミュージアムにも立ち寄っての1日だったからホントに駆け足だった。けど、とっても楽しいひとり小旅行でありました。

なかののつぶやき

「弘法大師は、右奥にある洞窟の中で修行をしている時に、明けの明星(金星)が口の中に飛び込んで悟りを開かれたことになっとります」

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