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【識者の眼】「『評価センター』による第三者評価とは」小林利彦

No.5065 (2021年05月22日発行) P.64

小林利彦 (浜松医科大学医学部附属病院医療福祉支援センター特任教授)

登録日: 2021-05-10

最終更新日: 2021-05-10

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2024年4月から、時間外労働が年960時間を超える医療機関(B水準・連携B水準・C-1水準・C-2水準)には、医師労働時間短縮計画の策定義務と、事前の第三者評価の受審が課せられている。これまで、第三者評価を実施する組織は「評価機能(仮称)」と呼称されていたが、最近の資料を見ると、「医療機関勤務環境評価センター(以下、評価センター)」と記されている。評価センターは厚生労働大臣が指定する組織として位置づけられ、理事会・評価諮問委員会・事業運営委員会・評価委員会などで構成されつつ、医療サーベイヤーと労務管理サーベイヤーが実務にあたることになる。ただし、現状として、評価センターの運営を日本医師会が担うという方向性以外は、詳細な運営事項等が明確に定まっていない。

2022年4月には第三者評価に関する規定等の運用が予定されていることから、2021年度内に評価センターの具現化とサーベイヤーの委嘱・養成を含む準備作業が急ピッチで進むことは間違いなく、関係する医療機関にもその心づもりが必要となる。なお、2024年度の初回対象病院については、2022年4月以降に書面評価が実施され、必要に応じて2023年度の訪問評価が予定されている。従って、対象病院の関係者には、どのような評価基準・評価指標で審査(評価)が行われるのかが大きな関心事となるが、実際には、2020年12月に公表された「医療機関の医師の労働時間短縮の取組の評価に関するガイドライン(評価項目と評価基準)」が参考となる。

同ガイドラインによれば、法律的な視点でもある「労務管理体制(ストラクチャー)」と現場における「医師の労働時間短縮に向けた取組(プロセス)」、そして「労務管理体制の構築と労働時間短縮の取組の実施後の評価(アウトカム)」で構成される「評価の視点・評価の要素」に沿った対応がなされることとなる。方法論的には、日本医療機能評価機構による病院機能評価と類似した立て付けであることから、受審病院には緊張感が余儀なくされることも予想されるが、関連する企画検討委員会にて、「評価機能は労働時間短縮への取り組みを行う医療機関に対して取り締まったり、罰則を与えるものではなく、体制が整備されていない医療機関に対し、取り組みの支援を行っていくもの」と意見表明がなされたことは重要な点である。

小林利彦(浜松医科大学医学部附属病院医療福祉支援センター特任教授)[医師の働き方改革]

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