中央社会保険医療協議会総会は5月12日、「ユルトミリス点滴静注」(成分名ラブリズマブ[遺伝子組換え])の費用対効果評価結果に基づく調整後薬価を了承した。現行は、300mg 30mL 1瓶で73万894円だが、調整後は69万9570円となり、約3万円の薬価引き下げとなる。同剤の効能効果は発作性夜間ヘモグロビン尿症など。新薬価の適用日は医療機関の在庫への影響を考慮して、8月1日とする。
一定規模以上の市場拡大があった品目について、年4回の新薬収載の機会を利用して薬価を引き下げる「四半期再算定」の結果も了承した。今回、対象になったのは「レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)」の2020年12月診療分データで要件に該当した「ビンダケルカプセル20mg」(タファミジスメグルミン)および、「テセントリク点滴静注1200mg」(アテゾリズマブ[遺伝子組換え])とその類似品の計5成分9品目。「テセントリク点滴静注」の類似品には、「オプジーボ点滴静注」(ニボルマブ[遺伝子組換え])、「キイトルーダ点滴静注」(ペムブロリズマブ[遺伝子組換え])、「イミフィンジ点滴静注」(デュルバルマブ[遺伝子組換え])が該当した。改定後薬価の適用日は8月1日。
このほか、同日の総会では、入院医療に関する21年度調査の調査項目・内容の案も了承された。6月から調査に入り、調査結果の速報値の報告は9月頃になる見通し。今年度に実施するのは、新規の「特定集中治療室管理料等の集中治療を行う入院料の見直しの影響について」を含む、4つの調査。