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■NEWS 外来機能報告の創設に向けWGを設置へ―社保審医療部会

No.5069 (2021年06月19日発行) P.72

登録日: 2021-06-09

最終更新日: 2021-06-09

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社会保障審議会医療部会は63日、改正医療法の成立を受けて、第8次医療計画の記載事項や「外来機能報告」の制度設計などについて審議する場の新設を了承した。外来機能報告の創設は、医療資源を重点的に活用する外来(以下、医療資源重点外来)を地域で基幹的に担う医療機関に手挙げしてもらうことなどを通じ、外来機能の明確化と連携を図ることが狙い。だが、委員からは、医療資源重点外来と対を成す「かかりつけ医機能」の定義などが曖昧なまま、20224月の施行時期を迎えることを問題視する意見が目立った。

厚生労働省はこの日の部会に、改正医療法の施行に向けた検討課題や、検討の進め方の案を示し、了承された。改正項目別に整理すると、①医師の働き方改革/追加的健康確保措置の詳細、医療機関勤務環境評価センターの運営に関する事項など、②医療関係職種の業務範囲の見直し/救急外来で業務を行う救急救命士の院内研修の実施方法など、③新興感染症等の感染拡大時における医療提供体制の確保に関する事項の医療計画への位置付け/第8次医療計画での具体的な記載項目など、④外来医療の機能の明確化・連携/医療資源重点外来、外来機能報告、地域における協議の場、医療資源重点外来を地域で基幹的に担う医療機関など―となっている。

このうち、①は「医師の働き方改革の推進に関する検討会」、②は「救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会」でそれぞれ審議する。③は第8次医療計画に関する検討の場を新設し、④の外来機能報告などを検討するワーキンググループ(WG)をその下に位置付ける。

■複数の委員がかかりつけ医機能のあり方についての検討を要望

この日の議論では、かかりつけ医機能の定義や、その普及・強化策についての議論が尽くされないまま、医療資源重点外来や外来機能報告が制度化されることに、複数の委員が疑問を呈した。

神野正博委員(全日本病院協会副会長)は、大病院受診時定額負担の義務化対象拡大の問題にも触れながら、「かかりつけ医機能をどこが持っているのかを明確化することなく、定額負担の問題のみを先行して議論するのはナンセンスだ」と主張。WGでは、かかりつけ医機能のあり方もセットで検討するよう促した。相澤孝夫委員(日本病院会会長)は、外来、入院に切り分けた議論の前に、まず日本の医療をどうしていくべきかという全体像を描く必要があると指摘。「拙速なことをやっていてはこの国の医療がめちゃくちゃになる」と危惧した。

こうした意見に迫井正深医政局長は、現に動いている医療制度をいったん止めて抜本的な見直しを行うことは難しいとしたが、「ご指摘の点を重く受け止め、原点を意識しながら進めてまいりたい」とも述べ、理解を求めた。

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