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グラビアデビュー![なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(366)]

No.5077 (2021年08月14日発行) P.70

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2021-08-11

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タイトルを見て「ん?」と思われたかもしれませぬ。しかし、今回は嘘偽りなしのタイトルどおり、グラビアデビューのお話なのでございます。それもなんと、あの週刊新潮に見開き2ページが4週連続であります。

巻末モノクロとちょっと地味だが「古都を旅する とっておき私の○○」というページがある。有名文化人(わたしがそうなのかどうかは保留です)が、○○=京都か奈良、の気に入った場所を訪問し、そこでの写真と訪問記が掲載されるという趣向である。もう20年近く続いている長寿企画だ。

被写体としてふさわしいかどうかはさておき、こんなチャンスは二度とないと、二つ返事でお引き受けした。まずは、編集者さんと奈良での行き先を相談である。4週連続なので少なくとも4カ所、それも、過去の記事とはできるだけ重ならないようにという制限がある。7月29日号からの4回で、順に、平城宮跡、壺坂霊験記でおなじみの壺阪寺、名刹・室生寺ときて、最終回はまだ発売前なのでちょっと内緒にしておきたい。

ずっとこのシリーズを担当しておられる編集者さんとカメラマンさん、それから、以前から知り合いの新潮社の編集者さんの4人であちこちを回った。大阪から日帰りでも行けるけれど、せっかくなので、わたしも奈良で泊まることに。2日間にわたる撮影は小旅行気分でえらく楽しかった。辰野金吾設計の奈良ホテルにも泊めてもらえたし。

ベテラン写真家はやはりすごい。4カ所とも、えっこんなところからですか、というようなアングルからの撮影だった。文字通りセンチメートル刻みでのポージングが面白かった。そこへ、笑ってぇ、とか、「いいよいいよぉ~」とかのお声かけをいただくと、気分はすっかりモデルである。わはは。

以前、まったく偶然に、人物写真で超有名な写真家にスナップ写真を撮影してもらったことがある。まだフィルムカメラの時代で、ええ加減にちょこちょこっと撮影しておられる感じだった。しかし、いただいたプリントを見て心底驚いた。写っている全員の表情が素晴らしいのである。その時、確信した。一流カメラマンは、ほんの零コンマ何秒か先の未来を予測できるに違いないと。

今回もまったく同じ印象だ。室生寺での1枚など、格好よすぎて困ってしまうくらいである。ぜひどこかでご覧ください。ひょっとしたら感動してもらえるかも。

なかののつぶやき
「最後の回の撮影は、ある方とのツーショット写真でした。この時はじつにタイミングが悪く、一天にわかにかき曇り、大粒の雨が降り出してきました。2人ともポーズをとる暇もなく、ハイ、こちらを向いてぇという注文だけで、一瞬にて撮影が終了。これはさすがにあかんのとちゃうのかと思ったのですが、写真を見せてもらってびっくり。やっぱり名カメラマンは予知能力があるとしか思えませんわ」

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