健康保険組合連合会(健保連)は9日、全1405組合の2015年度決算見込が1278億円の経常黒字となったと発表した。黒字は2年連続。保険料率の引上げなどにより保険料収入が増加した一方で、高額薬剤の保険適用などの影響で保険給付費は大きく伸びた。
2015年度の経常収入は7兆7854億円(前年度比2.46%増)。収入増の要因は、保険料率の引上げや被保険者数の増加、月額・賞与の上昇。保険料率を引き上げたのは313組合で、平均料率は9.035%と初めて9%を超えた。
経常支出は7兆6576億円(同1.57%増)。このうち法定給付費(保険給付費)は3兆7897億円(同3.21%増)となった(図)。15年度に診療報酬改定がなかったことを踏まえると、かなり高い伸びと言える。健保連は「高額な医薬品の保険適用が相次いだため、調剤医療費の伸びの影響があるものと推察される」としている。
健保連は同日、2015年度に申請された医療費のうち、月額医療費が1000万円を超える「高額レセプト」の上位も公表した(表)。高額レセプトの総数は、前年度より61件増えて過去最高の361件となった。上位には例年通り、血友病や特発性拡張型心筋症などが並んでいる。特に高額な2000万円以上は47件、500万円以上は5696件で、ともに過去最高を記録。全体として高額化傾向が続いている。
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