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■NEWS マイナ保険証で資格確認できない場合でも本来の負担額で―医療保険部会で対応案を了承

No.5177 (2023年07月15日発行) P.70

登録日: 2023-07-06

最終更新日: 2023-07-06

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厚生労働省は629日、マイナ保険証でオンライン資格確認ができない場合の対応案を社会保障審議会医療保険部会に提示し、了承された。マイナポータルや保険証で確認するか、新たに設ける「被保険者資格申立書」を患者に提出してもらうことで、患者の窓口での支払額が本来の自己負担分のみで済む仕組みとする。さらに資格情報が不詳のままでも医療機関がレセプト請求できる仕組みも構築する。同省は8月診療分から対応を開始できるよう、関係者への周知や必要な準備を進める考え。

マイナ保険証を巡っては、被保険者資格の確認ができずに患者が10割負担を求められるトラブルが報告されており、こうした事態の回避を目指す。対象となるのは、(1)転職等をした場合で新しい保険証は発行済みだが、システムへのデータ登録が完了していないために資格確認を行うと、「資格(無効)」、「資格情報なし」と表示される場合、(2)医療機関側の機器不良のトラブルなどでマイナ保険証によるオンライン資格確認ができない場合―の2つのケース。

こうした問題が生じた場合は、まず「患者自身のスマートフォンで表示したマイナポータルの資格情報画面」あるいは、「患者が持参した保険証」を使って資格確認を試す。これらの方法で資格確認できない場合は、患者自身に「被保険者資格申立書」(保険証や保険者、一部負担割合などに関する情報)を記入・提出してもらうことで、窓口での支払い額を本来の患者自己負担分のみで済むようにするとしている。

■過去の資格情報や資格情報不詳のままでもレセプト請求できる仕組みを構築

医療機関への診療報酬の支払いに関しては、過去の資格情報(保険者番号や被保険者番号)や資格情報不詳のままでもレセプト請求が可能な仕組みを構築する。審査支払機関で可能な限り保険者を特定するが、最終的に特定できなかった場合は災害時等の取扱を参考に、保険者間で負担を按分する。

オンライン資格確認時に、保険者から別人のマイナンバーが登録されていた事例もこれまで60件確認されている。こうした問題への対応として、医療機関に対し、患者の本人確認の徹底も要請する。具体的には、オンライン資格確認で得た情報を診療に活用する際に、本人確認や薬剤の服用状況、併用禁忌等を確認するよう要請。受付窓口においても、必要に応じて、オンライン資格確認時に表示された情報と、①診療申込書や問診票に記入された患者情報、②再診患者の場合は医療機関で保有する患者情報―との照合確認を行うよう求める。

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