岸田首相は12月12日、政府のマイナンバー情報総点検本部の会合で「法令に基づき、予定通り、現行の健康保険証の発行を来年秋に終了し、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行する」と表明した。
今年6月から進めてきた総点検が今月中旬に完了する見通しとなったことなどから、マイナ保険証への移行を予定通り行うと判断したもの。ただ、健康保険証の廃止後も最大1年間は現行の健康保険証の使用を可能とするほか、マイナ保険証を保有しない被保険者には、申請によらず資格確認書を発行する。
総点検本部によると、点検対象件数8208万件のうち8351件で紐付け誤りが判明。これらについては閲覧を停止した上で、各自治体が修正作業を進めているという。
岸田首相は会合でさらに、「今後は再発防止対策を講じつつ、通常業務において定期的にマイナンバーの確認を徹底していくフェーズに移行する」と述べ、関係閣僚に対し、J-LIS(地方公共団体情報システム機構)の新たな照会システムを自治体などに12月18日から提供すること、人の手を介さずにマイナンバー登録を行えるアプリを提供することなどを指示。暗証番号の設定が不要な顔認証カードの交付や、特急発行の仕組みの構築などに取り組む姿勢も示した。
岸田首相は最後に、「マイナ保険証は我が国の医療DXを進める上での基盤。まずは一度、国民にマイナ保険証を使っていただき、メリットを実感できるよう利用促進の取り組みを行っていく」と述べた。