私は長い間血液腫瘍内科を専門とし、特にリンパ系腫瘍に対する抗癌剤治療や造血幹細胞移植を中心に診療をしてきた。研究は、リンパ系腫瘍に対するがんワクチンの開発であった。尿酸結晶を担体としたワクチンを開発し、臨床研究も行った。その後、この研究を続けるために海外に行くことになった。しかし、研究を続けるうちに、自己免疫で腫瘍を排除するのは不可能なのではないか、と思うようになった。そして、感染症なら自己免疫でも治癒することが可能である、と考えるようになり、少しずつ研究を感染症にシフトさせていった。
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