中央社会保険医療協議会は1月31日、一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度」の見直し案を固めた。このうち「急性期一般入院料」の該当患者割合では新たに2つの基準値を満たすことを求め、「A3点以上またはC1点以上」の基準値を20%、「A2点以上またはC1点以上」の基準値を27%に設定。平均在院日数の基準も16日以内に見直す。議論では、急性期病床の再編が加速するよう厳格化の方向での見直しを主張する支払側と、病院経営の悪化を懸念して見直しに反対する診療側の溝が最後まで埋まることはなく、公益裁定での決着となった。
一般病棟用の看護必要度の見直しでは、これまで4つの案を軸に検討が進められてきたが、病院経営の悪化を危惧する診療側の主張に一定の理解が得られ、4案の中では最も影響が小さいと考えられる案4が採用された。
具体的には、①救急搬送後の入院/緊急に入院を必要とする状態の評価日数を現行の5日から2日に短縮、②抗悪性腫瘍剤の使用(注射剤のみ)の得点を現行の2点から3点に引き上げる、③注射薬剤3種類以上の管理の対象薬剤から静脈栄養に関する薬剤を除外する、④創傷処置と呼吸器ケアは看護必要度Ⅱの評価対象となる診療行為が実施されている場合のみを評価対象とする―などの見直しを行う。
「急性期一般入院料1」は評価項目に加え、該当患者の判定基準の見直しも実施。B項目を含む「A2点以上かつB3点以上」の基準を廃止した上で、「A3点以上またはC1点以上」(該当患者割合1)と「A2点以上またはC1点以上」(該当患者割合2)に該当する患者がそれぞれ一定割合以上であることを施設基準で求める。基準値は、該当患者割合1を20%、同2を27%に設定する。平均在院日数の基準も見直し、現行の18日以内を16日以内に2日短縮する。
「急性期一般入院料2〜5」では該当患者の判定基準は現行のまま据え置き、該当患者割合の基準値のみを見直す。見直し後の基準値は、「重症度、医療・看護必要度Ⅰ」による判定の場合が①入院料2=22%、②入院料3=19%、③入院料4=16%、④入院料5=12%、「重症度、医療・看護必要度Ⅱ」の場合が①入院料2=21%、②入院料3=18%、③入院料4=15%、④入院料5=11%―とする。