日本医師会は10日、「道路交通法に基づく一定の症状を呈する病気等にある者を診断した医師から公安委員会への任意の届出ガイドライン(GL)」を公表した。
改正道交法では、「一定の病気」(統合失調症、てんかん、再発性の失神、無自覚性の低血糖症、そううつ病、重度の眠気の症状を呈する睡眠障害、認知症、アルコール中毒など)の患者のうち、運転に支障を来す恐れのある者を診察した医師が、診断結果を都道府県公安委員会に任意で届ける規定が盛り込まれた。診断結果に基づき、公安委は患者の免許の取消または3カ月以内の停止を判断する。
GLは「特定の病気のすべての患者が届出対象ではない」など留意点を明示した上で、届出はあくまで任意で、患者・家族に運転することの危険性を説明し、運転中止を指導したにもかかわらず患者が応じない場合に限るとしている。
任意の届出対象となる各疾患の症状の診断基準は、日本てんかん学会、日本糖尿病学会、日本精神神経学会など各関係学会が別途作成したGLを参照。認知症に関する届出手順と診断基準については、日本認知症学会、日本老年医学会などのGLを参照する。