2024年度診療報酬改定では「地域包括ケア病棟入院料」(入院医療管理料含む)について、入院41日目以降の点数を減額する見直しが行われることになった。包括範囲における医療資源投入量が入院期間の長期化に伴って低下することが明らかになったため。
入院40日以内の評価は、40歳未満の勤務医や事務職員等の賃上げ対応措置として引き上げる。この結果、改定後の「地域包括ケア病棟入院料1〜4」の点数設定は、入院40日以内が2838〜2102点(現行2809〜2076点)、41日目以降は100点以上の減額が適用され、2690〜1992点に下がる。
施設基準では、介護保険の居宅介護サービス利用者の急変時の受け入れが進むよう、訪問看護の算定実績に介護保険の訪問看護と介護予防訪問看護の実績の算入を認める見直しを実施。実績の基準値も、(1)当該医療機関が提供する訪問看護等の場合:直近3カ月で150回以上(現行60回以上)、(2)当該医療機関併設の訪問看護ステーションが提供する訪問看護等の場合:直近3カ月で800回以上(300回以上)―に引き上げる。
「療養病棟入院料1、2」は医療区分を疾患・状態の医療区分と処置等の医療区分に分割することにより、現在は9分類の点数設定を30分類に細分化。患者の状態をより適切に反映した評価体系に見直す。40歳未満の勤務医等の賃上げ対応の引き上げも行い、改定後の評価は「入院料1」が1964〜830点(現行1813〜815点)、「入院料2」が1899〜766点(1748〜751点)とする。
療養病棟入院料の中心静脈栄養の評価について、早期離脱を促すための見直しも行う。具体的には、医療区分3に該当する「対象となる処置等」(従来の「対象となる状態」から変更)として、広汎性腹膜炎や腸閉塞などの患者や中心静脈栄養の開始日から30日以内の患者に限定。これら以外の患者は医療区分2に該当することになる。また、中心静脈栄養の終了後7日間は終了前の医療区分で入院料を算定できるルールを設ける。
これに関連して「経腸栄養管理加算」(300点/日)も新設。療養病棟の入院患者に「静脈経腸栄養ガイドライン」等を踏まえた栄養管理に関する説明を行った上で、新たに経腸栄養を開始した場合に、入院中1回に限り、経腸栄養の開始日から7日を限度として算定する。