中央社会保険医療協議会が2月14日に答申した2024年度診療報酬改定では、介護保険施設との連携についていくつかの見直しが行われた。
まず、介護保険施設の入所者の病状急変時に、在宅療養支援診療所等が往診を行った場合の評価を新設する。このため在支診、在支病、在宅療養後方支援病院、地域包括ケア病棟の施設基準で、介護保険施設の協力医療機関となることを努力義務として規定。その上で協力医療機関の医師が入所者の急変時に往診を行った場合の評価として、「介護保険施設等連携往診加算」(200点)を新設する。算定にあたっては、施設との連携体制の構築に加え、24時間連絡を受ける担当者をあらかじめ指定し、その連絡先を施設に提供していることが求められる。
介護施設の入所者の病状急変時に、協力医療機関の医師が診察し、入院させた場合の「協力対象施設入所者入院加算」も新設する。往診を行った場合は600点、それ以外の場合は200点を入院初日に算定する。
リハビリテーションを必要とする患者の医療から介護への円滑な移行を目指し、退院時の情報連携や支援の充実も図る。
脳血管疾患等、廃用症候群、運動器の各リハビリテーション料の算定要件や施設基準において、患者が他の医療機関や通所・訪問リハビリに移行する場合は、移行先の医療機関・事業所にリハビリ実施計画書等を文書で提供するよう定める。これに伴い、既存の「リハビリテーション計画提供料1、2」(275点、100点)は廃止。通所・訪問リハビリの利用予定がある患者の退院時の共同指導の際、リハビリ事業所の医師等の参加を求めることが望ましい旨を「退院時共同指導料2」の要件に追加する見直しも行う。
一方、疾患別リハビリテーションでは、ADLが著しく低下した患者や重度の認知症の患者などへの早期介入を促すため、「急性期リハビリテーション加算」を新設。発症や治療開始日等から14日を限度に、1単位当たり50点を既存の「早期リハビリテーション加算」に上乗せする。その反面、「早期リハビリテーション加算」は現行の1単位当たり30点を25点に引き下げる。
高齢の入院患者が増加傾向にある「急性期一般入院基本料」等の急性期病棟においても、「リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算」(1日120点)を新設する。リハビリ専門職や管理栄養士の病棟配置などを求め、入院中の安静臥床によるADL低下防止につなげるとしている。