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患者さんの最善のために(太田伸男)[プラタナス]

No.5224 (2024年06月08日発行) P.3

太田伸男 (東北医科薬科大学耳鼻咽喉科学教授/東北医科薬科大学病院アレルギーセンター長)

登録日: 2024-06-08

最終更新日: 2024-06-05

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  • 15歳女性が、4年前からの左顎下部の腫瘤を主訴に受診した。長い髪で顔の左半分を隠すようにして、母親、兄と3人で診察室に入ってきた。故郷から遠く離れた日本で暮らすうちにしだいに顎が腫れてきたが、様子を見ていたそうだ。少女が髪をかき上げると、左顎下部からオトガイ下部に70×65㎜大の弾性軟、境界明瞭、周囲組織と癒着のない腫瘤を認めた。自発痛、圧痛なくリンパ節は触知しなかった。CTとMRIの画像検査で、左顎下部から正中を超えて右顎下線近傍まで及ぶ、95mmの内部均一で境界明瞭な腫瘤性病変が認められた。穿刺吸引細胞診では皮様囊胞が疑われた。良性疾患だが、手術による摘出が第一選択となる。

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