厚生労働省の健康・医療・介護情報利活用検討会の医療等情報利活用ワーキンググループが6月10日開かれ、電子カルテ情報共有サービスのモデル事業について事務局から説明を受けた。2025年1月以降、9地域で実施する。
モデル事業では、患者情報の一部を実際に医療機関間で電子的に共有して電子カルテ情報共有サービスの有効性や機能を確かめるとともに、課題を収集。25年度中に予定される同サービスの本格稼働に活かす。
対象地域は、①北海道:函館地区で調整中、②山形県:日本海総合病院を中心とした地域、③茨城県:水戸済生会総合病院を中心とした地域、④千葉県:千葉大学医学部附属病院を中心とした地域、⑤石川県:加賀市(デジタル田園健康特区)で調整中、⑥静岡県:浜松医科大学医学部附属病院を中心として浜松医療センター、中東遠総合医療センター、藤枝市立総合病院と調整中、⑦愛知県:藤田医科大学病院を中心とした地域、⑧三重県:三重大学医学部附属病院を中心とした地域、⑨奈良県:南奈良総合医療センターを中心とした地域―を予定。
いずれの地域においても、中核病院と一緒にその連携先の複数の病院・診療所も参画することが想定されている。
厚労省は電子カルテ情報共有サービスを導入する病院向けの補助事業についても報告。補助の対象になるのは、「電子カルテシステムに標準規格化機能を導入する際にかかる費用(システム改修・標準規格変換機能整備費用、システム適用作業等費用)」と「健康診断部門システムと電子カルテシステムの連携費用」。
補助額の上限は、(1)健診部門システム導入済みの場合:200床以上の病院=657万9000円、200床未満の病院=545万7000円、(2)同システム未導入の場合:200床以上=508万1000円、200床未満=408万5000円―と定められている。24年3月から「医療機関等向け総合ポータルサイト」からの申請受付が始まっている。