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レビー小体型認知症(DLB)[私の治療]

No.5226 (2024年06月22日発行) P.47

大八木保政 (愛媛大学大学院医学系研究科脳神経内科・老年医学講座教授)

登録日: 2024-06-20

最終更新日: 2024-06-18

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  • レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies:DLB)は,アルツハイマー型認知症(Alzheimer’s dementia:AD)についで多い高齢者認知症で,主症状は認知機能障害・幻覚・パーキンソン症状などである。また,しばしば自律神経障害を認め,抗精神病薬に対する感受性が高い。

    ▶診断のポイント

    国際ワークショップのDLBの臨床診断基準(2017)1)では,中核的特徴として,認知機能の変動,具体的な幻視や錯視,パーキンソン症状,レム睡眠行動異常症の4つがあり,支持的特徴として,抗精神病薬への過敏性,繰り返す転倒,失神,便秘・起立性低血圧などの自律神経障害,幻覚・妄想,アパシー,不安,抑うつなどが挙げられている。

    指標的バイオマーカーとして,ダットスキャンで基底核の取り込み低下,123I-MIBG心筋シンチグラフィーの取り込み低下,睡眠ポリグラフによる筋緊張低下を伴わないレム睡眠がある。支持的バイオマーカーとして,脳血流シンチグラフィーで後頭葉を含む全般性の血流低下やcingulate island signなどがある。

    「2つ以上の中核的特徴」または「1つの中核的特徴+1つ以上の指標的バイオマーカーあり」をprobable DLB,「1つの中核的特徴のみ」もしくは「1つ以上の指標的バイオマーカーのみ」をpossible DLBとする。一方,ADもしばしば合併するため,記憶・見当識障害が目立つこともある。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    DLBではAD以上にアセチルコリン系が障害されており,またパーキンソン症状も合併しているため,コリンエステラーゼ阻害薬やドパミン系薬剤などを組み合わせる。幻覚・妄想,不安や抑うつなどに対する抗精神病薬も症状に応じて適宜追加する。

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