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■NEWS マイナ保険証利用促進の一時金上限、診療所20万円、病院40万円に引き上げ

登録日: 2024-06-28

最終更新日: 2024-06-28

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厚生労働省はマイナ保険証の利用促進のための一時金の上限額見直しを決め、621日の社会保障審議会医療保険部会に報告した。診療所は20万円、病院は40万円とこれまでの倍の額に引き上げる。これは一部の医療機関でマイナ保険証の利用が増えていることを受けた措置。しかし全体の利用率は7.73%20245月実績)にとどまっており、今回の措置でどれだけ利用率上昇に弾みがつくかは未知数だ。

一時金の支給額は、202310月時点のオンライン資格確認に占めるマイナ保険証の利用率と、その時点からのマイナ保険証の利用者数の増加量に応じて段階的に設定されている。当初の上限額は診療所が10万円、病院が20万円とされていた。

しかし、直近のマイナ保険証利用状況から、マイナ保険証の利用率が20%以上の高利用率の施設が増加傾向にあることや、支給対象期間が始まる245月時点ですでに当初設定した上限額に到達している施設が相当数あることが判明。このため厚労省は、支給上限額を引き上げ、利用が進んできた施設の利用率をさらに押し上げるためのインセンティブとすることを決めた。

例えば、2310月時点のマイナ保険証利用率が最も低い3%未満の施設の場合、これまでは診療所が「80人以上の利用者数増加」、病院は「450人以上の増加」で支給上限額の10万円、20万円に達していた。これに対して見直し後は、利用人数がさらに増加した場合の支給区分を設け、診療所では①100〜159人=15万円、②160〜239人=17万円、③240人以上=20万円―と引き上げ。病院でも同様に、①540〜719人=30万円、②720〜899人=35万円、③900人以上=40万円―とすることになった。

なお、2310月診療分のレセプト件数が150件以下の小規模施設の上限額は変更せず、これまで通り最大5万円とする。

■マイナ保険証利用率、245月は7.73%まで上昇も依然低調

厚労省が242月と5月の診療報酬請求時にオンライン請求を実施している約17万施設(歯科診療所、薬局を含む)を対象に行ったアンケート調査によると、患者に「マイナンバーカードをお持ちですか」などの声掛けを行っている施設は、2月の約4割から5月は6割超に、ホームページ上でマイナンバーカード持参の案内をしている施設は17%から26%にそれぞれ増加した。

一方、マイナ保険証の利用率は、一時金支給の起点となる2310月時点の4.50%が245月には7.73%まで上昇したものの、依然として低調であることには変わりない。

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