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■NEWS 厚労省の一般会計要求総額は34.3兆円―25年度予算概算要求

No.5238 (2024年09月14日発行) P.71

登録日: 2024-09-04

最終更新日: 2024-09-04

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厚生労働省は830日、一般会計総額が342763億円となる2025年予算概算要求を公表した。このうち年金・医療等の経費は324375億円となり、24年度当初予算比で3677億円増加。高齢化などに伴ういわゆる自然増では4100億円(他府省庁所管予算の増加額400億円を含む)を計上した。重要政策推進枠では総額1508億円を要求。医療DXの推進、かかりつけ医機能が発揮される制度整備、医薬品の安定供給確保などのための経費を盛り込んだ。

保健・医療・介護関連の重点要求では、(1)創薬力強化に向けたイノベーションの推進と医薬品等の安定供給確保、(2)医療・介護におけるDX、地域医療・介護の基盤強化の推進等、(3)国際保健への戦略的取り組み、感染症対策の体制強化、(4)予防・重症化予防、女性の健康づくり、認知症施策の推進等―の4項目を柱に据えた。

1)では、医薬品供給情報の迅速な共有を可能とする「医薬品安定供給・流通確認システム(仮称)」の開発や抗菌薬の安定供給に向けた体制整備といった医薬品の安定供給の推進に、24年度当初予算の10倍にあたる総額17億円を計上した。

2)のうち医療・介護DXでは、①電子カルテの導入と情報の標準化等による全国医療情報プラットフォームの構築、②電子処方箋のさらなる全国的な普及拡大、③診療報酬改定DXの取り組みの推進、④医療機関等におけるサイバーセキュリティ対策の強化―などの経費として358億円を要求した。電子処方箋では院内処方管理機能の搭載、診療報酬改定DXではオンラインによる施設基準等の届出を可能にするために必要なシステム改修等をそれぞれ進める。

■地域におけるかかりつけ医機能確保でリカレント教育などを充実へ

地域医療等の基盤強化では、25年度からのかかりつけ医機能報告の施行を見据え、総合的な診療能力を持つ医師を養成する既存事業の予算を24年度の3.0億円から5.6億円に拡充。かかりつけ医機能に関する研修体制の整備を支援する新規事業の経費(2000万円)も要求した。

なお、物価高騰対策、賃上げ促進環境整備対応、介護人材の確保といった重要施策や、薬価の中間年改定への対応については年末の予算編成過程で検討する。

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