新たな地域医療構想の始動に合わせて創設される医療機関機能報告で、報告対象機能は、「高齢者救急・地域急性期機能」、「在宅医療等連携機能」、「急性期拠点機能」、「専門等機能」、「医育及び広域診療機能」の5機能に決まった。病床機能報告の対象医療機関を報告対象とし、1つの医療機関が複数の機能を報告することを認める。厚生労働省の「新たな地域医療構想等に関する検討会」のとりまとめ案(12月10日)に盛り込まれた。
各機能の定義は、(1)高齢者救急・地域急性期機能/高齢者等の救急搬送の受け入れ、入院早期からのリハビリテーション、退院調整など、(2)在宅医療等連携機能/地域での在宅医療の実施、他の医療機関や介護施設等と連携した24時間対応や入院対応、(3)急性期拠点機能/手術や救急医療等の医療資源を多く要する症例を集約した医療の提供、(4)専門等機能/集中的なリハビリ、中長期にわたる入院医療機能、有床診療所の診療機能、一部の診療科に特化した診療、(5)医育及び広域診療機能/大学病院本院が担う医師派遣、医療従事者の育成、広域診療等―とする。
(1)~(4)は二次医療圏等を基本とする構想区域単位で整備。(3)は報告医療機関に一定の水準を満たすことを求めることや、構想区域ごとにどの程度の病院数を確保するかをあらかじめ設定することを通じ、集約化を促す。
(5)は都道府県単位などの広域で整備する機能。(3)の急性期拠点機能を担う医療機関にも広域な診療、人材の育成、医師の派遣等についての報告を求め、(5)の報告とともに地域の協議に活用する。
病床機能報告は、現行の「回復期機能」の名称を「包括期機能」に変更。「高齢者等の急性期患者について、治療と入院早期からのリハビリ等を行い、早期の在宅復帰を目的とした治し支える医療を提供する機能」(診療報酬の地域包括医療病棟のイメージ)と、現行の「回復期機能」を併せ持つ機能として位置付ける。
地域医療構想の対象に新たに加わる外来・在宅医療等は、入院医療と同様、地域医療構想調整会議において、①かかりつけ医機能報告や外来機能報告等のデータを基にした現状や将来の見込みの整理、課題の共有、②対応策の協議―を実施し、具体的な取り組みにつなげる。