日本老年医学会が『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン(GL)2015』(案)を作成し、医療従事者や広く一般から意見を募集している。高齢者で薬物有害事象の頻度が高く重症例も多いことから、同学会は高齢者薬物療法の安全性を高めるため、2005年に初めてGLを作成。今回は10年ぶりの全面改訂となる。
前回のGLで「高齢者に対して特に慎重な投与を要する薬物のリスト」としたものは、中止を考慮するべき薬物もしくは使用法のリストとして「ストップ」と改称・改訂。薬物ごとに対象となる患者群や主な副作用・理由、推奨される使用法を示している。
例えば、「抗精神病薬全般」は認知症患者に対し「脳血管障害と死亡率の上昇」のリスクがあることから「可能な限り使用を控える」と指摘。代替薬として「抑肝散」を推奨している。
GL案は新たに、強く推奨される薬物もしくは使用法を一覧にしたリスト「スタート」を追記している。
GL案は学会のウェブサイトに掲載(http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/info/topics/pdf/
20150401_01_01.pdf)。意見送付は原則としてメールで、4月24日必着。