日本めまい平衡医学会による2017年の良性発作性頭位めまい症(benign paroxysmal positional vertigo:BPPV)診断基準では,頻度の高い,後半規管型半規管結石症,外側半規管型半規管結石症,外側半規管型クプラ結石症の診断が規定され,眼振所見がそれらと異なる非典型例として注釈に,前半規管型半規管結石症,後半規管型クプラ結石症,多半規管型BPPVの名称のみ記されていた。
今回のガイドライン(2023年版)では,前半規管型半規管結石症,後半規管型クプラ結石症の眼振所見が詳しく解説されている。理論的に3つの半規管と半規管結石とクプラ結石の組み合わせであれば6通りになるが,前半規管型クプラ結石症は確定例としての報告がなく,5通りまでが記載されることとなり,これは国際的な診断基準1)でも同様な扱いである。
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