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【エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023】高血圧性硬化症・腎度脈狭窄症の主な変更点と重要トピック[ガイドライン・インフォメーション]

遠山直志 (福井大学医学部腎臓病態内科学教授)

登録日: 2025-04-30

最終更新日: 2025-04-25

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  • 高血圧性腎硬化症は,持続的な高血圧により生じる腎臓病変である。日本透析医学会の統計調査によると,透析治療を新たに始める患者のうち,腎硬化症が原因となる割合が年々増加傾向にある。『CKD診療ガイドライン2023』では,高血圧性腎硬化症の診断と治療に関する新たな解説が加えられた。診断には明確な基準はないものの,臨床的な特徴として高血圧歴,血尿を認めないこと,蛋白尿が高度ではないことが挙げられる。腎機能の低下抑制と心血管疾患の抑制の点から,治療の中心は血圧管理である。厳格な降圧目標を設定することについての明確な予後改善効果は明らかではない。SPRINT試験等の結果をふまえ,特に腎機能低下例では過度の降圧に注意が必要である。

    腎動脈狭窄症についても,画像検査に関する新たな解説が加えられた。画像診断では,腎動脈超音波検査をまず行い,続いて単純MRアンギオグラフィが提案される。CT血管造影など造影剤使用を伴う検査には,合併症のリスクを十分に考慮することが注意点として挙げられている。

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