日本老年精神医学会(理事長=新井平伊順天堂大教授)は5月26日の記者会見で、日本老年医学会が4月に公表した『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015』案について、同学会に提出したパブリックコメントの内容を紹介した。“ストップ”の表現の再考を求めている。
パブコメでは抗精神病薬について、「リスクを踏まえて、やむを得ず必要な際には短期間・少量投与が原則」として、ガイドライン案の“ストップ”の表現について「変更、または誤解を避ける表記が必要」と指摘。
また、重度の認知症行動・心理症状(BPSD)の対処の記載が不十分であるとして、重度のBPSDが見られる場合の対処方法や指針についての検討が必要であるとした。
会見で新井理事長は、ストップの表現が、Screening Tool of Older Person’s Prescriptions(STOPP)の置き換えであることに理解を示しつつも、「“使ってはいけない”という印象を受ける」と説明。パブコメの提出後、日本老年医学会から「一緒に見直したい」と要請があったことも紹介し、今後、ガイドラインの改訂作業に協力する考えを示した。