日本医師会は2日、会内の有床診療所委員会の答申を公表した。地域包括ケアシステムを支える有床診の運営安定化を図る観点から、複数医師体制や看護職員の確保を実現できるよう、入院基本料における加算の充実を要望している。
2014年度改定では、看取り、介護サービスの提供などの複数機能を担う有床診を評価するため、入院基本料1~3、看護補助加算などの項目が新設された。
答申はこれを評価しつつも、閉院・無床化による有床診の減少が続いており、安定的な運営が難しくなっていると指摘。医師の疲弊や継承、夜勤の看護職員の確保が困難な状況を踏まえ、医師配置加算1(88点)・同加算2(60点)、夜間看護配置加算1(80点)・同加算2(30点)の引上げを求めている。
また、有床診をレスパイト入院やショートステイの病床確保等に積極的に活用するため、かかりつけ医が多職種連携チームのリーダー的役割を果たし、有床診内で地域ケア会議を行うなど、「開かれた有床診」の姿を提言している。