(概要) 中医協では2月の答申に向け、次期診療報酬改定の個別改定項目の検討に入った。外来医療では複数疾患を抱える認知症患者に対する主治医機能について評価が新設される。
次期2016年度診療報酬改定の答申に向け、厚生労働省は27日、中央社会保険医療協議会総会(田辺国昭会長)に個別改定項目案を提示した。「短冊」と呼ばれる個別改定項目は、次期改定における個別項目の改定内容について、点数や人員配置、期間など具体的な数字を伏せた状態で示したもの。主な項目とポイント(別掲)を紹介する。詳細は次号掲載。
●地域包括診療料/加算の常勤医を緩和
外来医療では、地域包括診療料/加算の届出医療機関が、「認知症以外に1以上の疾患を有する」認知症患者を診療した場合の評価として「認知症地域包括診療料/加算」を新設する。このほか地域包括診療料/加算については、普及を推進するため「常勤医師3名以上」の施設基準を緩和する。
また後発医薬品の使用促進を図る観点から、院内処方を行う診療所のうち、後発医薬品の使用割合が高い診療所について使用割合に応じて2段階で評価する「外来後発医薬品使用体制加算」を新設する。
入院医療については、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の項目と重症患者割合(15%以上)の基準見直しや、7対1病棟入院基本料の自宅等退院患者割合の計算式と基準(75%)見直しが行われる。
懸案の平均在院日数については個別改定項目にも盛り込まれなかったが、今後継続して議論を行う。
●在宅は評価細分化へ
在宅医療で大きな見直しがあるのは前回14年度改定に続き、在宅時医学総合管理料と特定施設入居時等医学総合管理料。①月1回の訪問診療による管理料を新設、②重症度が高い患者をより評価、③「同一建物居住者の場合」の評価を単一建物での診療人数によって3段階に細分化─という見直しが行われる。
中医協は2月上旬の答申に向け、個別改定項目を巡り詰めの議論を行う。