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自己判断での服用中断を防ぐには [お茶の水だより]

No.4784 (2016年01月02日発行) P.9

登録日: 2016-01-02

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▼2016年度診療報酬改定で、「残薬」の削減が医療費の効率化・適正化のターゲットの1つとなる中、医師が処方した痛み止め(飲み薬)の服用を自己判断で中断したことがある人が6割に上ることが、ファイザー社の調査の結果、明らかになった。
▼中断の理由は「痛みが軽減」「症状が改善しないと感じた」など。7割が「飲み続けると効かなくなる」と考え、4割が薬の量や種類を増やすことに抵抗感を持っている。その理由は、身体の負担や副作用、依存への不安など。多くの患者が不安を抱える中、薬の効能・効果について医師や薬剤師から説明を受けたと回答した人は半数にとどまっており、6割が医師の指示した服用の仕方を守らず、7割が残薬を保存、症状が出ると自分の判断で服用している。
▼痛みの種類、強さ、薬の効き方は患者により様々だ。必要とされる薬の種類も量も異なる。患者の自己判断による服用中断、残薬を防ぐため、医師には処方の際、患者への薬の作用機序や治療目標、具体的な副作用と対応法等の説明が求められる。
▼湿布薬や塗り薬でも同様だ。湿布薬については、1回の処方で70枚を越える湿布薬が調剤されているケースが全体の8.9%に上るとして、厚生労働省が次期改定で、1回の処方上限を70枚とする案を提示。診療側からは、一律な規制に反対する声や、治療部位によって枚数やグラム数、大きさが異なるとして処方上限の根拠不足を指摘する声が上がっている。
▼一方、湿布薬は一般に「副作用がない」という誤解があり、医師も漫然と処方し、痛みの機序やQOLの向上に目が向けられないケースも少なくない。日常生活におけるQOL向上を治療の焦点として、どのように痛みを管理していくか患者に具体的に説明することが重要であろう。

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