【Q】
レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies:DLB)はうつ病と誤診されていることが少なくありません。また,DLBと診断されても,抑うつ状態を示すことも少なくありません。この際,ドネペジルを主とするコリンエステラーゼ阻害薬や抑肝散が効果を示すことはありますが,思ったほどの効果は得られません。【A】
ご指摘の通り,DLBは経過中およそ半数の例でうつ状態を認めます。大うつ病エピソードを満たすうつ状態も3割程度の患者にみられるとされます。DLBの症状が出そろわない初期段階でもうつ状態はしばしばみられ,単なるうつ病として治療されていることがよくあります。しかしDLBは,初期あるいは前駆期から薬剤過敏性がみられることが少なくありません。薬剤過敏性は抗精神病薬に限らず抗うつ薬でもみられます。