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アルツハイマー病におけるアミロイドイメージング

No.4738 (2015年02月14日発行) P.59

上野弘貴 (広島大学脳神経内科)

松本昌泰 (広島大学脳神経内科教授)

登録日: 2015-02-14

最終更新日: 2016-10-26

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家族性アルツハイマー病(AD)の研究やADNI研究の結果からアミロイドβ蛋白(Aβ)がAD発症以前から沈着していることが明らかになった。これを受けて2011年,NIA-AAのAD診断基準が改訂された。従来よりもさらに前段階の病態について検証され,病期をpreclinical AD(文献1),MCI due to AD(文献2),dementia due to AD(文献3)の3ステージにわけ,バイオマーカーがその中に組み込まれた。バイオマーカーはAβ沈着のマーカーと神経障害のマーカーに区分され,前者の検出法としてアミロイドイメージングが取り上げられた。ADと臨床診断された患者の9割以上がアミロイドPETで陽性所見を認める。しかし,健常高齢者でも20~30%でAβ蓄積を認め,レビー小体型認知症でもAβ蓄積症例がある。そのため,検査適応や結果の取り扱いには十分な検討と配慮が必要である。
アミロイド用PET薬剤は11C-PiBが世界的標準薬だが院内サイクロトロンなどが必要であり,わが国では数十施設でしか実施できず,保険診療は認められていない。米国では既にデリバリー可能な[18F]標識の薬剤がFDAの承認を受けているが,倫理的問題などから保険適用は限定的である。現時点において,日常臨床ではADの除外診断ツールとしてのみの適用だが,研究面ではAβ陽性者の発症予防に関する介入研究での展開が注目され,新たな治療薬開発への貢献が期待される。

【文献】


1) Sperling RA, et al:Alzheimers Dement. 2011;7 (3):280-92.
2) Albert MS, et al:Alzheimers Dement. 2011;7 (3):270-9.
3) McKhann GM, et al:Alzheimers Dement. 2011;7 (3):263-9.

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