「夜と霧」というタイトルは旧版の邦訳から受け継がれたもので、原題は「Ein Psychologe erlebt das Konzentrationslager: … trotzdem Ja zum Leben sagen」。著者(1905〜97)は1955年よりウィ―ン大学精神科教授。実存分析、ロゴセラピーの創始者(ヴィクトール・E・フランクル 著、池田香代子 訳、みすず書房、2002年刊)
人間とは、医師とは何か。我々医療従事者は時として、その本質を考えることを忘れて、生老病死を忘れて、長行き(長生きではなく)のみに焦点を合わせた医療に陥ってしまうことはないだろうか。
新聞に人間ドック受診者で「問題なし」が10%未満であったと書かれていたが、「問題あり」が90%以上とはどういうことなのだろうか。診断技術の向上によって人間ドックでより多くの異常が検出されるようになったことも一因であると書かれていた。検出する必要のない異常が検出されている可能性、異常の判定基準値が厳しすぎる可能性はないのだろうか。地球全体に目を向けると、アフリカから発生した人類は世界中にはびこり、ほかの生物の脅威になっている。癌の増殖曲線と人間の増殖曲線は瓜二つである。
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