【Q】
永山則夫に精神鑑定がなされていますが,司法精神医学的観点からこのケースではどのような点が問題とされているのでしょうか。整理して教えていただきたいです。(新潟県 H)【A】
永山則夫連続射殺事件は,犯罪史の中でも有名な死刑判決事件です。被疑者が19歳の少年でありながら実名報道されたことや,事件の重大性から成人と同じ刑事裁判を受けたことなども特徴として挙げられますが,広く知られているのは「永山基準」です。この基準は,死刑判決を適用する際の判断基準として,(1)犯罪の性質,(2)動機,(3)犯行態様,ことに執拗性や残虐性,(4)結果の重大性,ことに殺害被害者数,(5)遺族の被害感情,(6)社会的影響,(7)犯人の年齢,(8)前科,(9)犯行後の情状,の9項目を取り上げたもので,現在においても大きな影響を与えています。▼堀川惠子:永山則夫 封印された鑑定記録. 岩波書房, 2013.