安倍晋三首相は14日、政府の未来投資会議で、対面診療と遠隔診療を組み合わせた“新しい医療”を来年度の診療報酬改定で評価する方針を示した。
会議では、都内で在宅専門クリニックを展開する武藤真祐氏(医療法人社団鉄祐会)が遠隔診療の適切な評価と普及に向けたインセンティブの必要性について発表した。これを受け安倍首相は、疾病の重症化を防ぎ回復を早めるため、かかりつけ医による継続的な経過観察は大切だとした上で、対面診療とオンラインでの遠隔診療を組み合わせれば、無理なく効果的に受診できると発言。「新しい医療を次の診療報酬改定でしっかり評価」すると明言した。
会議に出席した日本医師会の横倉義武会長は、ICT活用に「後ろ向きではない」と強調。対面診療の補完的役割とされている遠隔診療について、診療報酬上の位置づけを議論していくことに理解を示した。
会議ではこのほか、保険者と企業の経営者が連携し、従業員の健康状態や医療費などを全国平均と比較して示し、経営者に通知し管理を促す仕組みづくりについても議論。安倍首相は、取り組みが広がることで、国民全体の健康意識が高まることに期待を示した。