厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会(遠藤久夫部会長)は4月26日、都道府県のガバナンス強化をテーマに議論した。その中では、政府の「経済・財政再生計画」の改革工程表で今年度の検討項目に位置づけられた都道府県別の診療報酬について、委員から「都道府県に医療費適正化の責任を押しつけるような形」と導入に消極的な意見が上がった。
都道府県別の診療報酬を巡っては、高齢者医療確保法の特例で、厚労相が医療費適正化推進のために必要と認めた場合、地域の実情を踏まえつつ、適切な医療を各都道府県間で公平に提供する観点から見て合理的だと認められる範囲内で、他の都道府県の区域内の診療報酬と異なる定めをすることが可能だとされている。医療費の地域差是正に向け、第2期医療費適正化計画(用語解説)の進捗状況などを踏まえ、今年度中に都道府県別の診療報酬の特例の活用のあり方について医療保険部会や中央社会保険医療協議会で検討することになる。
このほか厚労省は、都道府県が中核となり住民の健康増進と医療費適正化に向けた体制確保を進める観点から、「保険者協議会での都道府県の位置づけや役割の明確化」「国が提供するデータなども活用した、県内の保険者横断的な医療費等の分析を行う機能強化」「都道府県と保険者や自治体、医療関係者などの幅広い関係者との連携に必要な体制」を論点として提示した。