日本医師会の横倉義武会長は6月25日、定例代議員会終了後の会見で、中央社会保険医療協議会の診療側委員を務める中川俊男副会長、松原謙二副会長の後任として、今村聡副会長、松本吉郎常任理事を充てると発表した。中川、松原両氏の任期は本来10月までだが、7月5日に開催される予定の中医協総会を最後に交代する。松本純一常任理事は続投する。
任期満了前の委員交代について、横倉氏は「診療報酬・介護報酬同時改定に向けて、例年より早く中医協の議論が進んでいる。10月交代では、新任の2人が十分(議論の流れを)理解できないまま参加することになる」と説明。新任2氏に対し「国の財政状況を考えると厳しい議論になると予想されるが、現場感覚に基づいた発言をお願いしたい」と求めた。
今村氏は「今回の改定は、2025年に向けた医療提供体制を構築していく上で、大きな意味を持つ」とした上で、「財源が厳しいからと言って、あまり大胆な改定を行うと医療現場に混乱が生じる。バランスを見ながら議論に臨みたい」と述べた。松本氏は「国民に資する診療報酬となるよう、病院団体の委員とも連携しながら進めていきたい」と述べた。