本誌の愛読者の中に、かつて海軍経理学校予科生徒であった先生も多数おられることと思います。写真をみて、70年前を思い出し、感慨無量のことと思います。
この校舎はご承知のように、当時の奈良県立畝傍中学校を海軍が接収し、海軍経理学校予科の校舎として、終戦の年の1945年4月から8月まで学んだところです。現在は奈良県立畝傍高等学校となっております。
2017年7月、大阪で行われた某研究会から特別講演を頼まれ、それに出席する前に奈良県に寄り、畝傍高校を訪問しました。校舎、運動場は70年前とまったく同じで、70年前は運動場から耳成山、天香久山、畝傍山の大和三山がはっきり望めたのですが、今、運動場の片隅に同窓会館が建てられており、大和三山が見えにくくなっております。1945年7月30日、体育館での昼食時に、米艦載機が中央正面4階の菊のご紋章を狙い撃ちした機銃掃射のバリバリという音にはびっくりしましたが、その弾痕と思われるところが今でもみられます。この校舎は現在、国の登録有形文化財になっております。学校の職員の方も、親切に見学を許してくれますので、時間のある先生は畝傍へ行かれて、この校舎を見て頂き、若き日を懐かしく憶い出して下さい。