No.4895 (2018年02月17日発行) P.13
登録日: 2018-02-09
日本慢性期医療協会の武久洋三会長は8日の会見で、2018年度診療報酬・介護報酬改定の答申について、急性期から地域包括期、慢性期、介護施設、在宅へと患者の“右方移動”を促す改定だとの見方を示し、「80点以上」と高く評価した。
武久氏は、診療報酬改定について「慢性期病棟では治療を評価し、社会的入院は認めないという明確なメッセージが感じられる」と強調。入院前からの退院支援を評価する「入院時支援加算」(200点[退院時1回])の新設などについて、 “右方移動”を手厚く評価する方針だと分析した。こうした考えを踏まえ、「プラス改定ではあるものの、アウトカムや在宅連携の重視により改善する患者が増え、総医療費は減るのではないか」と期待を示した。
その上で、次回改定への課題として「チーム医療への評価」「重症度、医療・看護必要度とDPCの基準の突合」を列挙。チーム医療への評価については「病棟専従のコメディカルへの評価が、薬剤師以外ではほとんど付かなかった」と指摘。「入院患者の8割近くは75歳以上という状況で看護師の数だけを要件にするのは時代遅れ。チーム医療のスタッフの数で病棟の医療機能が評価されるべき」だと話した。