30歳代,男性。右下腹部痛。
仰臥位,右下腹部横走査。
▶上行結腸に限局性の壁肥厚。
▶層構造は温存され,粘膜下層の肥厚が主体。
▶憩室に対応する突出した類円形の低エコー域と周囲脂肪織の肥厚。
▶憩室内に糞石が存在している場合には音響陰影を伴う。
▶限局性の壁肥厚,突出する憩室エコー,憩室エコー周囲の脂肪織の肥厚があれば大腸憩室炎の診断は確実である。
上行結腸の憩室炎では虫垂炎との鑑別が重要であるが,超音波による鑑別は比較的容易である。
炎症のない憩室を認めることがあるが,その場合には憩室周囲の脂肪織の肥厚や大腸の限局性の壁肥厚が認められない点で鑑別可能である(図2)。