□めまいという主訴には,様々な疾患が含まれる。病歴聴取と診察から鑑別を進めることが重要である(表1)。
□突然のめまい発作では,急性冠症候群や急性脳血管障害が原因のことがあり,慎重な対応が必要である。
□発症様式:突発性のめまいは,血管性の疾患を示唆する。しかし,突発性難聴や良性発作性頭位めまい症(benign paroxysmal positional vertigo:BPPV)も突発性に発症するため,発症様式のみで疾患を特定することは困難である。
□主訴:めまいという主訴は,①失神性めまい(目の前が暗くなる,気が遠くなる),②浮動性めまい(ふらつき),③回転性めまい(周りがまわって見える),の3つに分類できる。
□失神性めまいは,失神に準じて病歴を聴取する。すなわち,何をしているときに,どのような姿勢で発症したかを聴取する。病歴から,起立性低血圧や神経因性失神とは断定できない場合には,心原性失神の可能性も考慮する。
□浮動性めまいや回転性めまいは,中枢神経系の疾患や脳血管障害による可能性がある。
□失神性めまいでは,低血圧,徐脈,不整脈が観察されることもある。回転性めまいでは,めまいのために恐怖心が強くなり,血圧が上昇している場合がある。
□診察は,神経診察が中心となる。急性脳血管障害の可能性を否定できない間は,大きく頭位を変化させないよう心がける。
□神経診察では,意識障害の有無,眼球運動障害の有無,Frenzel眼鏡下での眼振の有無,蝸牛症状の有無,四肢や体幹の失調の有無を確認する。眼振の所見を正確に記載することが重要である。軽微な眼振は,Frenzel眼鏡を用いないと検出できない。体幹失調の検査としては,Romberg徴候の有無や,つぎ足歩行の可否をみる。
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