□一過性脳虚血発作(transient ischemic attack:TIA)は「血管疾患で起こる一過性黒内障や一過性の局所脳神経脱落症候が24時間以内に完全に消失するもの」(1990年)と定義されていた1)。
□米国心臓協会(ASA)は2009年に新しい定義として「急性脳梗塞をきたさない脳,脊髄,網膜の局所虚血による一過性の神経機能障害」を提案した2)。
□わが国の班会議(峰松一夫,2012年)では,「24時間以内に消失する脳または網膜の虚血による一過性の局所神経症状で,画像上の梗塞巣の有無を問わない」,MRIの拡散強調画像(diffusion weighted imaging:DWI)で新鮮病巣を認める場合は「DWI陽性のTIA」と定義した3)。
□内頸動脈系あるいは椎骨脳底動脈系の脳梗塞をきたしたときの症候が一過性に生じる。
□CTによる脳出血などの他疾患の否定,MRIのDWIでの虚血病巣の検出,頸部血管エコー,MRA,CTA,脳血管造影などによる血管の評価,心電図,ホルター心電図,経胸壁心エコーなどによる心臓の評価を行う。
□必要に応じてD-dimerやBNP(brain natriuretic peptide)の測定,下肢静脈エコー,経食道エコーなどを行う。どの定義で診断したかを明確にしておく。
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