□欧米の報告では,小児・成人症例でおおよそ1万人に1人の患者数とされ,指定難病登録数は1000人強である。
□神経および筋症状が主体ではあるが,心筋症,糖尿病,低身長,難聴,網膜症状,消化器症状など多彩な臨床症状を呈する。
□診断には遺伝学的検査だけでなく病理や生化学の検査を必要とし,専門的な知識と技術が必要である。
□代表的な症状を表に示す。神経および筋症状が多いのでミトコンドリア脳筋症と称するが,実際は全身の症状が出現するのでミトコンドリア病が一般的な病名である。
□症状の組み合わせ,重症度,発症年齢も個々の患者で異なる。
□急性,亜急性,慢性の経過があり,視神経萎縮や貧血などが時間とともに改善する病型も知られている。
□遺伝子検査は,ミトコンドリアDNAの質的変化(欠失/重複,点変異)と量的変化(細胞内でのコピー数の減少),または,核DNA上の原因遺伝子(ミトコンドリア関連分子)の変異を調べる。ミトコンドリアDNAの複製,発現に関わる分子が原因の場合は,核DNAとミトコンドリアDNAの両者が変化することがある。
□確定診断には罹患臓器(多くの場合は骨格筋)の病理検査,生化学検査で特徴的な所見を見出すことが必要で,専門施設に依頼することが望ましい。
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