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天疱瘡

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-21
高橋勇人 (慶應義塾大学医学部皮膚科学教室)
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  • ■疾患メモ

    天疱瘡は抗デスモグレインIgG自己抗体によって誘導される臓器特異的自己免疫疾患である。

    カドヘリン型細胞接着分子であるデスモグレインの機能が阻害されることにより,角化細胞の細胞接着が障害される。

    抗Dsg1抗体により生じる落葉状天疱瘡と,抗Dsg3抗体単独あるいは抗Dsg1抗体と併せて生じる尋常性天疱瘡のほか,悪性リンパ腫などの腫瘍に合併する腫瘍随伴性天疱瘡が知られている。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    落葉状天疱瘡では顔面,上背部,胸部,頭部など脂漏部位を中心に弛緩性の小水疱が生じるが,すぐに破れて薄い鱗屑をつける紅斑,びらんとなって多発する。粘膜病変は認めない。

    尋常性天疱瘡では抗Dsg3抗体単独の典型例では,口腔内の疼痛を伴う難治性びらん,潰瘍が持続し,摂食障害をきたす。食道粘膜まで傷害される。鼻粘膜や腔粘膜にも症状をきたす。抗Dsg1抗体と抗Dsg3抗体の両者を持つ場合には,粘膜部病変に加え,全身に弛緩性水疱とびらんが多発する。

    【検査所見】

    病変部の病理所見において棘融解を認める。直接蛍光抗体法で角化細胞表面へのIgGの沈着を認める。血清学的には落葉状で抗Dsg1抗体単独陽性。尋常性で抗Dsg3抗体陽性。

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