Q
27歳,女性。小学校高学年の頃より,手の汗が多く,授業のノートやテスト用紙が汗で濡れて集中できなかった。高校生頃より,制服着用の際,腋の下の汗も多くなってきた。いろいろな市販の製品を使用してきたが,改善がないため当院を受診。初診時,手のひらからの発汗を視認したが(図1),腋の下の汗は確認できなかった。
本患者における診断と治療方針は以下のうちどれか。
①受診時に発汗が確認できなくても患者の訴えで治療を開始
②受診の際に発汗を確認した上で治療を開始
③発汗を常におさえるよう治療計画をたてる
④初診の際には必ず採血を行う
ヒトにおいて,汗は高温環境下での体温調節に必要不可欠な役割を担っている。しかし,頭部・顔面,手掌,足底,腋窩に温熱や精神的な負荷がかかることにより,あるいはそれらによらずに大量の発汗が起こり,日常生活に支障をきたす状態は原発性局所多汗症と定義される(図2)。