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多汗症の新常識:初診時診断と治療の開始基準[〈プライマリ・ケア医が知っておくべき〉クイズで学ぶ 皮膚科診療の“新常識”(9)]

No.5270 (2025年04月26日発行) P.6

藤本智子 (池袋西口ふくろう皮膚科クリニック院長)

登録日: 2025-04-24

最終更新日: 2025-04-22

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執筆:藤本智子(池袋西口ふくろう皮膚科クリニック院長)

Q


27歳,女性。小学校高学年の頃より,手の汗が多く,授業のノートやテスト用紙が汗で濡れて集中できなかった。高校生頃より,制服着用の際,腋の下の汗も多くなってきた。いろいろな市販の製品を使用してきたが,改善がないため当院を受診。初診時,手のひらからの発汗を視認したが(図1),腋の下の汗は確認できなかった。
本患者における診断と治療方針は以下のうちどれか。

受診時に発汗が確認できなくても患者の訴えで治療を開始
受診の際に発汗を確認した上で治療を開始
発汗を常におさえるよう治療計画をたてる
初診の際には必ず採血を行う

汗症疾患の概要,診断,重症度の把握

ヒトにおいて,汗は高温環境下での体温調節に必要不可欠な役割を担っている。しかし,頭部・顔面,手掌,足底,腋窩に温熱や精神的な負荷がかかることにより,あるいはそれらによらずに大量の発汗が起こり,日常生活に支障をきたす状態は原発性局所多汗症と定義される(図2)。

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