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虫刺症の新常識:トコジラミ刺症の診断方法[〈プライマリ・ケア医が知っておくべき〉クイズで学ぶ 皮膚科診療の“新常識”(10)]

No.5275 (2025年05月31日発行) P.6

夏秋 優 (公立学校共済組合近畿中央病院皮膚科部長)

登録日: 2025-05-31

最終更新日: 2025-05-28

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Q


50歳代,女性。数カ月前から,同居する娘の四肢に痒みを伴う皮疹が出現した。最近になって自身にも四肢に痒みを伴う皮疹が出現したため,ダニが原因と考え,市販の燻煙式殺虫剤を用いて室内の害虫駆除処置を計3回,実施した。しかし四肢の痒みや皮疹が毎日のように出現し,改善しないため当科を受診した。初診時,前腕や手背を中心に浸潤性紅斑,紅色丘疹が孤立性に散在し,搔破痕や色素沈着を伴っていた(図1)。
本症例の診断は以下のうちどれか。

蕁麻疹
イエダニ刺症
カ刺症
ネコノミ刺症
トコジラミ刺症

虫刺症の概要・特徴

有害節足動物の刺咬や吸血,接触などによって生じる皮膚炎を,広く虫刺症あるいは虫刺性皮膚炎と呼ぶ。狭義では,カやノミ,ダニ,トコジラミなどの吸血によって生じる皮膚炎を虫刺症とする場合が多い。

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