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手根管症候群

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-20
三上容司 (横浜労災病院副院長,運動器センター長)
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  • ■疾患メモ

    手根管症候群は絞扼性神経障害の1つで,絞扼性神経障害としては最も頻度が高い。多くは特発性であるが,関節リウマチ,糖尿病,長期透析,腫瘍,ガングリオン,橈骨遠位端骨折,手を使う業務に続発するものもある。

    男女比は,1:2~1:5と圧倒的に女性に多い1)。女性では,妊娠・出産期,閉経期に前後して発症することが多い。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    手指のしびれ,疼痛,母指の対立障害である。夜間・早朝に増悪するしびれ,疼痛,手関節の特定の肢位における症状増悪や手作業後の症状増悪が特徴的である。

    病状の進行とともに母指球筋の萎縮が出現する。そのため,母指の対立運動が障害され,つまみ動作などの巧緻運動が障害される。

    【検査所見】

    理学所見としては,母指~環指橈側1/2の感覚障害,短母指外転筋の筋力低下,母指球筋の筋萎縮,Phalenテスト,正中神経圧迫テストなどの誘発テスト,Tinel様徴候などが重要である2)

    手関節X線撮影(正面像,側面像,手根管撮影)にて,骨性要素の異常の有無を確認する。

    電気生理学的検査としては,運動神経伝導検査,感覚神経伝導検査で,手関節部での伝導遅延が認められる。

    手根管内の占拠性病変(ガングリオンなど)の診断には,MRIや超音波検査が有用である。

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