▶外傷があれば外傷性頸部症候群(むち打ち損傷),非外傷であれば後頸部筋膜性疼痛や非特異的頸部痛,頸椎症性神経根症は頸部や肩の痛みから始まることもよく知られています。
▶高齢女性の頸部痛(特に回旋に伴う痛み)で発熱を伴う場合は,crowned dens syndrome(CDS,環軸関節の偽痛風)を鑑別疾患に挙げましょう。
▶発熱を伴う頸部痛で嚥下痛のほうが強いときには石灰沈着性頸長筋腱炎も重要な鑑別疾患で,非常に強い嚥下時痛があるため咽後膿瘍との鑑別も難しいです。耳鼻科や整形外科との連携が必要になることがありますので,総合病院への紹介を検討しましょう。
▶50歳以上で両肩痛(限局しない広範な痛みで頸部の痛みも訴える)の場合は,リウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica:PMR)も鑑別疾患に挙がります。