株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

手がビリビリします……[帯状疱疹][骨折ファーストタッチ ─decision makingのための骨折の考え方─(37)]

No.5242 (2024年10月12日発行) P.32

海透優太 (JCHO若狭高浜病院整形外科医長/臨床研修センター長)

登録日: 2024-10-14

最終更新日: 2024-10-11

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

鑑別診断

▶「肩から始まり徐々に指先に広がってくる上肢の痛み」が,頸椎症性神経根症の典型的な訴えです。約3週間程度かけて徐々に遠位に広がると言われます。

▶受診当初は「肩や肩甲骨が痛い」と言っていたのに,再診時には「手が痛い」と訴えることもあります。どの神経根が圧迫されるかによって症状の部位が異なりますので,皮膚文節図1)を参考にしながら詳細に問診や診察をしましょう。

▶頸部の後屈を契機に症状が強くなることが多いので,うがい動作・美容院のシャンプー姿勢などで発症することがあります。

▶頸部や肩の症状がなければ末梢神経障害を疑い,「母指から中指と環指の橈側がしびれる」なら手根管症候群,「環指尺側と小指がしびれる」なら尺骨神経障害(肘部管症候群など)を疑いましょう。限定された神経支配領域の痛みで来院され,後に同部位に発疹が発生するなら帯状疱疹の診断に矛盾しません。

▶また,頸椎症性頸髄症の典型例では,両手指のしびれや巧緻運動障害を主訴に来院します。頸髄症と神経根症が同時に起きていることもありますので,それぞれの典型例をしっかりイメージして高位診断を考えてみましょう。

「手がビリビリします」⇒頸椎症性神経根症,頸椎症性頸髄症,手根管症候群,尺骨神経障害,帯状疱疹

プレミアム会員向けコンテンツです(連載の第1~3回と最新回のみ無料会員も閲覧可)
→ログインした状態で続きを読む

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

長崎県五島中央病院

勤務形態: 常勤
募集科目: 整形外科 1名
勤務地: 長崎県五島市

当院は下五島地域唯一の基幹病院として、長崎大学病院等と連携しながら、五島で完結できる医療を目指しています。
離島内の他の医療機関では出来ない高度・専門医療や離島で不足しがちな救急医療、周産期・小児医療、精神科医療、回復期医療を提供することで“郷診郷創”(地域での受診が地域を創る)を進めています。
共に地域医療を担っていただける医師を募集しています。

癌などの専門的治療の他、精神・結核などの政策医療、24時間2.5次救急にも対応しています。
3次救急患者については、遠隔画像伝送システムを利用し、本土までヘリコプター搬送して住民の命を守っています。
また、基幹型臨床研修病院として、研修医の受け入れも行っています。

ロケーション的には、美しい海と豊かな自然に恵まれ、四季を通じて、マリンスポーツや釣りが楽しめます。
ショッピング等については、中型・大型のスーパーが数店舗あり、ファミリーレストラン・コンビニエンスストアもありますので、基本的に不便を感じることはないと思います。
食に関しては、五島牛や新鮮な魚介類、季節の旬な野菜が何時でもおいしく食べることができます。
共に五島で働きましょう。

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top